税金の還付⁉(還付金詐欺にご注意を)

所得税

還付金詐欺が神奈川県内で増加しているという新聞記事をま読みました。市役所や金融機関の職員の名をかたって医療費や税金が戻ってくると嘘を言い、ATMを操作させてお金を振り込ませる手口とのこと。今年の1月から7月末までに確認している還付金詐欺は172件で、被害額は約1億8100万円にも上るといいます。

先日、友人がスマホの画面を見ながら、ATMで振り込みをしようとしていたら、警察官に声をかけられたそうです。それ位ATMを利用しての詐欺が横行しているということなのでしょう。

税金が戻ってくる場合

所得税の還付を受けるためには、還付申告をしなくてはなりません。所得税の還付申告をすれば、市町村にも同様の還付申告をしたことになりますので、住民税も基本的には還付されます。つまり、基本的に自ら還付申告をしていないにもかかわらず、所得税や住民税といった税金がが戻ってくるということはないのです。

還付申告は、何らかの形で所得税を納めすぎた状態になっている人が行う手続きですが、そもそも所得税が課せられる収入のある人ということが前提になります。具体的には、年金、給料、配当、原稿料や著作権使用料等の収入がある人が該当します。これらの収入については、法律によって決められた所得税が控除されて支払われていますので、本人が意識していなくても所得税を支払っている状態になっているのです。年金や給料については、支給額等によって所得税が控除されていない場合もあります。

上記のほかに、前年の所得金額や税金が多くて、年の途中で予定納税をしている人も、還付申告によって税金が戻ってくる可能性があります。

還付申告の具体例と期限そして還付金の受け取り方

給与取得者や年金受給者の方で、還付申告をすることによって、税金の還付を受けることができる可能性がある例示としては、下記のような場合です。

1.医療費控除を受ける場合
2.住宅ローン控除を受ける場合
3.特定の寄付をした場合
4.上場株式等の譲渡損失があって、さらに源泉分離課税された配当金がある場合

還付申告は、通常の確定申告期間には関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。具体的には、令和3年分の還付申告は令和3年1月1日から令和8年12月31日まで提出することができます。平成28年分の還付申告は令和3年12月31日まで提出できますので、まだ間に合います。

さて、還付金はどのように受け取るのでしょうか? 申告書には、還付金受取口座として本人名義の金融機関の口座を記載することになっていますので、その口座に振り込まれます(ゆうちょ銀行または郵便局で直接受け取る方法もあります)。ですから、冒頭での還付金詐欺の手口で使われるようなATMを操作するということは、全くありえないのです。

電話で還付金と言われたら

電話で税金の還付金のことを言われたら、まず疑いましょう。税金の還付を受ける手続きの基本的な流れの中で、電話で何らかの指示されるということはありません。市役所から電話というとついつい信用してしまいがちですが、あせらず、ワンクッション置いて、誰かに一言相談してみましょう。もし、還付申告を税理士にお願いしていたら、必ずその税理士にご相談してください。