令和3年分の確定申告書(B)第一表について令和2年分との変更点をまとめました。
押印欄の廃止
申告書の押印欄がなくなりました。これは令和3年4月1日以降提出する税務書類(一部を除く)について、押印不要となったことによるものです。
帳簿の記帳・保存状況についての記載
事業所得及び不動産所得について、以下のように新たに「区分」記載欄が設けられました。
事業の営業等、農業のそれぞれの区分と不動産の区分2には、帳簿の記帳・保存の状況について、次の場合にしたがって、それぞれの数字を記載します。
国外中古建物に係る不動産所得の損益通算等の特例の有無の記載
では、上記の不動産所得の「区分1」には何を記載するのでしょうか。令和3年分の確定申告から一定の国外中古不動産に係る不動産所得に損失金額は損益通算の対象にならないという特例が適用されます。この特例の適用がある場合に、区分欄に「1」と記入します。
雑所得の「その他」の区分
雑所得の欄は「公的年金等」「業務」「その他」の3区分から成っています。令和3年の確定申告書から「その他」に区分の欄が設けられました。
雑所得の「その他」に該当する所得は、生命保険の個人年金、互助年金、暗号資産の取引等の所得ですが、この区分欄には、個人年金保険に係る収入がある場合は「1」を、暗号資産取引に係る収入がある場合は「2」を、個人年金保険に係る収入及び暗号資産取引に係る収入の両方がある場合は「3」を記入します。
事業所得や不動産所得の青色申告ができる所得についての帳簿の記帳・保存状況の区分が創設されたのが目につきます。電子帳簿保存法もより実効性ある形に改正され、税制調査会でも記帳の水準向上が議論されている中、事業者や我々税理士は、適正な申告のための記帳の重要性を改めて認識しなくてはならないと思います。