新型コロナウィルス感染防止のために、文化芸術、スポーツの分野のイベントの多くが中止となりました。主催者側も経済的、精神的に苦渋の決断であり、イベントを楽しみにして、早くからチケット入手していた人も、さぞかし残念な気持ちでいっぱいのことと思います。私自身も、いくつかのコンサートのチケットが手元にありましたが、中止になったり、延期になったりしています。
さて、この中止になったイベントの主催者側からは、チケット払戻しの案内等の対応があると思いますが、アーティストやパーフォーマーを応援するために、チケット代の払戻しを受けないという選択をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?払戻しを受けない方は、その金額(上限20万円)を寄付とみなして確定申告において寄付金控除の適用を受けられる可能性があります。
対象は指定を受けたイベントです
中止されたすべてのイベントが対象になるわけではありません。主催者の申請に基づき、文化庁またはスポーツ庁が指定をしたイベントのチケットの払戻しを受けなかった場合に、この寄付金控除の適用を受けることができます。対象のイベントは文化庁またはスポーツ庁のHPにアップされていますので、チェックしてみましょう。
主催者から証明書をもらいます
イベントが、寄付金控除の対象イベントであることが確認出来たら、主催者に払戻しを受けない旨を連絡し、指定行事証明書と払戻請求権放棄証明書の2種類の証明書を入手しましょう。
上記の証明書を添付の上、来年確定申告をします
証明書を入手して、寄付金控除を受けようと思う方は、確定申告をしなくてはなりません。年末調整では、寄付金控除の適用は受けられませんので注意してください。今回のこの特別な寄付金控除は、所得控除の寄付金控除か税額控除の寄付金控除のどちらかの選択が可能です。どちらが得なのかは、その人の収入によりますので、はっきりは申し上げられませんが、税額控除の方が有利な方が多いかと思います。また、住民税の控除については、お住いの自治体が指定しているかどうかによります。
税制には、互いに支え合う社会を作るためや経済政策の促進のための手段としての機能を持っています。アーティストや演奏家、スポーツ関係者を応援したい人々の気持ちと文化芸術、スポーツ分野の疲弊を少しでも和らげることができる今回のような柔軟でタイムリーな特別の寄付金控除の創設は歓迎したいところです。